近年はバイク自体のセキュリティ向上や、盗難防止グッズの技術の進歩、防犯カメラの普及のおかげもあって、バイクの盗難件数は年々減少傾向にあります。
しかしそれでもなお、2023年度は年間9,946台ものバイクが盗難被害に遭っているのが実情です。
平均すると毎日27台ものバイクが日本のどこかで盗まれていることになります。
特に私の住む大阪は、毎年毎年「都道府県別バイク盗難件数ナンバーワン」という不名誉なタイトルを防衛し続けている始末。
更に、『盗まれやすいバイク』というランキングにおいて、私の所有する「PCX150」はホンダの126cc以上盗難数ランキング2位、「SR400」はヤマハの126cc以上盗難数ランキング1位。
販売台数が多ければ多いほど、その車種が被害に遭う確率が上がるのは至極当然ですが、『盗まれやすいバイク』という言い方をされると対策しないわけにもいきません(笑)
ということで盗難防止用アンカーを作成しました!
アンカーとは
ここでいう『アンカー』とは、バイクを地面と繋ぐための「ポール」や「支柱」「輪っか」のことです。
通称『地球ロック』と言ったりもしますが、写真のような「ポール」や「支柱」「輪っか」とバイクの「ホイール」や「フレーム」にまとめてチェーンを通しロックするためのものを総じて『アンカー』と呼んでます。
ですが、まだまだアンカーのないバイク駐輪場は多いです。
自分の敷地であれば地面にボルトを打ち込んでアンカーを作成することもできますが、賃貸の駐輪場やバイク専用の貸し駐輪場ではそうもいきません。
そんなアンカーのない駐輪場に『地球ロック』とまではいかないものの、とにかく重くて動かせない「なにか」とチェーンロックを繋げられるようにしたもの…それが自作アンカーになります。
なぜアンカーが必要なのか
実はバイク盗難のほとんどは窃盗団によるもので、言ってしまえば盗みのプロ集団です。
驚くべきはその手際の良さで「ハンドルロック」や「U字ロック」をしているバイクであっても、前輪後輪を台車に乗せて1分足らずで運び出します。
そうなんです。
「ハンドルロック」や「U字ロック」は盗んでからゆっくり解除すればいいので、『運び出す』という行為に対しては無意味に等しい対策なんです。
そこで活きてくるのが『アンカー』による地球ロックです。
当然ですが、窃盗団は現場に長居することを嫌います。
しかし『アンカー』によって地球ロックされているバイクを盗み出すには、『アンカー』か『チェーンロック』を破壊するしかありません。破壊を試みれば時間も掛かるうえに大きな音も鳴ります。
これが窃盗団にとってスマートではないので、犯行の対象から外れる可能性が高まります。
彼らは「盗む」と決めたら確実に盗むので、それ以前に「盗もうと思わせない」対策をすることが非常に重要になってきます。
その点で、ターゲットにされないよう車種を分からなくする「バイクカバー」はマスト、それに次いで盗むのが面倒だなと思わせる『アンカー』はとても有効です。
自作してみた
自作アンカーには、ペール缶にコンクリを詰め込んだものや、フェンスの基礎部分に用いられる束石(羽子板付束石)を使ったものなど色んな種類がありますが、今回は収納ボックス兼用アンカーを作成することにしました。
・用意したもの
U型ボルト
鍵付き収納ボックス
補強のためのボルトや金具
ブロック(重り)
※出典:コーナン商事株式会社
材料はすべてコーナンで揃えました。
「U型ボルト」と「鍵付き収納ボックス」さえあれば、他は代用が効くので何でもOKです。
作成方法もいたってシンプルで所要時間は15分ほどでした。
ドリルで収納ボックスに穴を開けて
「U型ボルト」を固定。
ボックスがプラスチック素材なので、U型ボルトを引っ張り回しても割れないように補強してます。
簡単に持ち上げたり動かしたりできないように中にブロックを敷き詰めるので、ブロックの角でボックスが割れてしまわないようプチプチを敷き詰めてます。
ブロックを敷き詰めて終了です。
よくある3つの穴が空いたブロックだと非常に軽いので、今回は束石を6個入れてます。
ひとつ10kgちょいなので軽く60kgくらいあります。
作成時に完成したアンカーの全体像を撮り忘れていたので急遽、野ざらしにされている現役のアンカーを拝借して撮影しました。めちゃくちゃ汚ね(笑)
このU字部分にチェーンロックを通し、バイクのホイールと一緒にロックしてます。
中にブロックを敷き詰めてはいるもののまだまだ収納量に余力があるので、この中には「雑巾」「積載ロープ」「結束バンド」「簡単な工具」、あとは振動を感知してアラームが鳴る「ブザー」を入れてます。
如何せん収納ボックスの鍵が非常に安っぽいのと、素材がプラスチックなので盗まれても良いような物しか入れれませんが、それでもバイクに必要なものがすぐそこにあるのは便利です。
あと、重しを砂利やセメントにせずブロックにしたことで1つずつ自由に出し入れが可能です。
アンカーを設置する際もそうですが、引っ越しなどで移動する必要があるときも、60kg以上あるボックスを持ち上げたりせず小分けにして運べるのも地味に良い点かなと思います。
まとめ
自分の愛車を守るためにできることはいっぱいありますが、その中でもアンカーがない駐輪場にバイクを停めている方にはぜひ自作アンカーでの擬似的な『地球ロック』をオススメします。
もし興味があれば窃盗団の犯行の瞬間を動画サイトなどで見てください。いかに「U字ロック」や「ハンドルロック」が無力なのかが分かります。
もちろん、チェーンロックをしてU字ロックをしてバイクカバーまでしていると、バイクに乗る度に『面倒だ』と思うはずです。でもそれは盗む側も同じなんです。
盗難を防止する一番の方法は「盗もうと思わせない」こと。
窃盗団に『盗むには面倒だ』と少しでも思わせられるなら、アンカーを作る時間も費用も惜しいものではないのかなと思います。
以上、アンカー作ってみた&盗難対策のお話でした!